3.11
あれから6年。
朝目を覚まし、東北へ想いを馳せる中
ふと思い出した女の子がいます。
震災の翌年、ライブの為に石巻に向かっていた道中で出会った小学6年生の女の子。
「ポテトチップス食べますか?」
照れくさそうに自分のお菓子を私にも分けてくれる優しい心を持った彼女は、
たまたま知り合った私に自分の家族の話をしてくれました。
震災後お父さんのお仕事の都合で、石巻から東京へ引っ越さなければならなかったこと。
石巻に残ったおばあちゃんへこれから会いに行くこと。
お母さんが病気で亡くなってしまったこと。
そして震災の時のこと。
「将来の夢は何?」
そう質問した私に、彼女は真っ直ぐ目を見て力強くこう答えました。
「将来は医者になりたいと思っています。なので今勉強を頑張っています。」
「震災があった時、避難所に怪我をしたたくさんの人が運ばれてきました。
亡くなってしまった方もいたけれど、私は助かった命もこの目でたくさん見てきました。
だからそんな方達を助けられるお医者さんになりたいです。」
小さな身体でたくさんの事を受け止め、
懸命に次の一歩を踏み出そうとするその姿は
私の心に痛いほど突き刺さってきました。
震災から6年が経った今、
彼女は何を想い、どんな道を歩んでいるのでしょうか。
今年の3月11日は、息子を抱きしめ黙祷を捧げました。
6年前の今日何があったのかまだ知らない息子は、
今日もたくさん泣いて、今はスヤスヤ眠っています。
あの頃の私と今の私。
出来ることもきっと変わってきただろう
だからこそ毎年想い、考え、
深く長く向き合っていきたいと思います。
この小さな命を抱きしめられる事に感謝して。